ネゴスの冒険

私達のネゴシアンとしての活動を通して明らかになることは、ブルゴーニュワインのまたもう一つ別の面を紹介することになろう。
いつもとは違う他のテロワールを抱えており、(コート・ド・ニュイの北側はたくさんの資源の宝庫)様々な生産者が存在し、私達が普段やっていないようなやり方を行っている。
今のところ、私たち自身のワイン造りに対する確信を強くしているわけだが・・・。私達にとってはブドウ供給者と私達のヴィジョン(見解)を分かち合えることにとても大きな満足感を受けている。たとえそれが極ありふれたことであったとしても。
徐々にうちのネゴシアンもののラインナップが拡大している。ネーミングも変わり、ラベルも改良されてやり方も洗練されつつあり・・・。
ネゴスワインの標章は「メオ・カミュゼ・フレール・エ・スール」、つまりドメーヌの評価を受ける醸造のやり方を踏襲するとともに、新しい刺激をもたらすものであること。ドメーヌもののワインと私達の考案した家族要素の強いワインを区別する必要からこうしたネーミングになった。
この点については、多少ラベルに違いが見られる。裏ラベルにより多くの説明がなされていることでわかる。特に私達のワイン造りの手法は、常により良いものを求めて試行錯誤を繰り返した後、このやり方で行こうと一つに定めた。ヴィラージュもののアペラシオンに関して、ブドウを購入することは組織的になっている。この点において、いい品質のワインを見つけるには、ドメーヌ・ワインに近いキャラクターを持つことが大事。
最高傑作に成るかどうかチャンスを狙ってばかりでは良い品質の供給を続けていくことはできない。だからつまるところ、よいブドウを買うために畑を徹底的に選抜して捜し求めた。
選択には苦労がつきもの。コート・ド・ニュイの北部では、多くのブドウが売りに出されているが、比較的高品質のブドウ畑や生産者からのブドウはほとんどない。自分達にふさわしい畑が見つかると、7月から支払いにおいて、一定の基準に従いつつ、生産高に基づいて購入することを生産者との間で契約する。この方法をとると、生産者側からの文句をうけることなく、彼らを傷つけることもなく、グラン・ヴァンを作るために必要だと推測するだけの量のブドウを調整する自由が私達のほうにもある。
そして、ドメーヌに属しているブドウ畑と同等のコンディションで作業にかかれるわけだ。
7月から8月にかけて摘房を行い、選別台の上で収穫時に選別を行う。畑では実際にうちのドメーヌのメンバーが摘むことになり、私達のやり方にしたがっている。なぜなら、ヴァンダンジュに続いて仕込みがはじまるからだ。
それゆえ、テロワールの価値をワインに与えることに専心することも可能になる。この点において、丘のすぐ真下に位置している非常に良い立地の畑の産物、フィクサンの生産を報告できることをとてもうれしく思っている。
テロワールの違いは明らかだ。マルサネはしなやかで、小悪魔のようなチャーミングさがある。フィクサンは繊細だが、深みがあり、ストラクチャーもしっかりしていてさらにより長い余韻もある。それぞれがスタイルを持っており、完璧にヴィンテージのキャラクターを表現している。骨格がしっかりしていて、将来有望で深みがあり、チャーミングだ。
2003年もので他にもお知らせしたい新作がありますが、待っていてください。すべてのことには、話すべき時がありますから。