2003年ものの瓶詰め

12月の末に瓶詰めが始まった。例年よりも少しばかり早いだろうか、私の知る限りのヴィンテージとしては1ヶ月も前倒しで進んでいるのだが。

まれに見る凝縮感を持っているが、ブルゴーニュの持ち味も捨ててしまっているわけではないワインであることがわかるでしょう。

アロマは大変熟しており、ワインは肉厚だ。この点についてはまったく驚かない。最近の気候学の研究によれば、2003年という年はヴァンダンジュの公示から最も作業が早まった年、調べた人によると過去の例では14世紀半ばまでさかのぼるらしい。

しかしワインの前面に出ているまったりとした味わいや、同時にタンニンや酸味、小さな果実のアロマも感じられる。これらのワインは正統なブルゴーニュワインを保っており、異例の年であっても多くの長所を持ち合わせている。

特に長期熟成用に造った人たちもいる。〔ヴァンダンジュの時にそう思いついたのかもしれない〕谷間の出口に位置しているアペラシオンは程よい酸味をもち、後何十年も調和を保ちつつ熟成を続けていくだろう。

こうしたワインの筆頭がクロ・パラントゥだ。まだ、現時点では少し角張ったごつごつした感じがするが、ポテンシャルとしては大変すばらしいものがある。また、エシェゾーやヴォーヌ・ブリュレ、ヴォーヌ・ヴィラージュ、そしてニュイ・アルジラも挙げておこう。すべてに共通していることは、大変よく熟しており、アルコール度が14.5度に達しているもので、順調な熟成を続けており、バランスも取れてきているということ。

この熟成の傍らで見守る以外に私たちは何もしていないということを付け加えておきましょう。つまりブドウ自体が2003年夏の猛暑の間に生じたアンバランスな要素を自然に補い合っているということ。私たちが確信していることはヴィンテージは今から50年経った後でも私たちを驚かすことのできる年であるということです!