クロ・ヴジョ89年 さくらんぼの熟した香りが最初は菌のヴェールに少々包まれているが、よく熟成していて、イチジクのような香りに変化してきている。大変芳醇で甘味がある。同時にわずかにアルコールも感じる。 非常に熟した年としての影響を受けた要素が詰まった中に素晴らしいハーモニーを生み出し、魅惑に駆られるワインでもある。
ニュイ・ミュルジェ97年 97年全般が飲みごろだよ、と言っても別に誰も驚かないだろう。しかしながら最近までまだ十分に飲める状態で無いと私達は判断していた。まだほんのわずかな攻撃的な要素が残っていたからだ。しかし、ここでは果実は熟れ、味わいは充実しており、満足の行くバランスを見せている。もしこのワインを手始めとして97年を飲むならば、ドメーヌもので成熟の度合いがよりゆっくりとしたコルトンやヴォーヌ・ブリュレのようなタイプのワインも飲み始めることができるはずだ。
クロ・ヴジョ96年 酸はしっかりとある。ワインも近づきやすい傾向になってきた。香りに成熟度が現れており、複雑味のある印象を与えている。明らかにこのワインは99年ものより厳格だが、かなりゆっくりと熟成の進むヴィンテージにしてはそれなりの進み具合と言えよう。