正式な試飲会より、2003年3月24日実施
1996年のヴィンテージ試飲ノートより
クリュに関して行われたブラインドテースティング


メオ・カミュゼのドメーヌワインに限り1996年のものの試飲は、以下の順序で行われた。

プルミエ・クリュ
ニュイ・サンジョルジュ ミュルジェ

香りはゆったりとしていて熟したピノ・ノワールの香り。 さくらんぼとイチゴの香りが収穫したてのブドウの新鮮な果実味を引き立たせている。エレガントで気品溢れる高貴なワイン。
すでに開いている。レースのような緻密さ。ワインは肉厚で甘味があり、丸みも帯びており飲みやすい。アフターに素晴らしい酸を兼ね備えたきれいな赤い実の果実の味わい。まさに「喜び」のブルゴーニュワイン。パワフルさよりもバランスが実にいい。

リシュブール
グラン・クリュ

複雑でいて、ゆったりした香り。果実が大変熟しており、木苺、そしてミントのようなタッチがあり、潅木(野生の低木)の香りと、ほのかに皮の香りをも感じる。ストラクチャーがしっかりして整っていることが分かる。
とろっとしていて、ボリューム感があふれている。これはとても肉厚で凝縮された果実からくるもの。余韻が非常に長い。全体的に見て、このリシュブールは少し「自然児」のようだ。でも、この朴訥とした感じは、伝説のテロワールから生まれたクリュのまだかなり若い時期である為だということは想像がつく。


コルトン
グラン・クリュ

よく熟していて良好なピノ・ノワールの緻密さと優雅さが香りだっている。口に含むと、赤い実と黒い実のフルーツがゆったりとあふれてくる。 成分のバランスが並外れた完成度を放っている。しばしば対立するストラクチャーと気品がここでは溶け合っている・・・。
ワインはとても芳醇、記念碑になるほど。常に濃縮した果実味と新鮮な酸のテーストが口の中によく広がる。余韻はかなり長い。口の中でもパワフルだが、全体的な調和もあり、本当にまれに見るワインだ。今こそワインの良さを楽しむ絶好の飲み頃だが、長期熟成にも適している。


プルミエ・クリュ
ニュイ・サンジョルジュ オー・ブドー

熟していてコクがある香り。毛皮から取られたような動物系の要素も見られ、まだあまり熟成は進んでいない。
ワインは凝縮感があり、果実のボリュームに包まれ引き締まったタンニンがある。ワインがリッチで少々重たい感あり。もう少し繊細で気品のあるピノ・ノワールがほしい。時間と共に改良されることを敢えて期待しよう。


プルミエ・クリュ
ヴォーヌ・ロマネ
オー・ブリュレ

香りは大変クリアで果実味が非常に開いた感じ。ほとんど熟しすぎの感じもする。ワインは芳醇でアタックに丸みがある。全く自然で素朴な味わいが感じられ、キルシュを彷彿とさせる。黒いさくらんぼの味わい。アフターは厄介だ。かなり酸味が残っており、厄介な渋味が口を乾いた印象にさせる。
2本目はアフターにこのようなドライな印象はまったく無かった。 このワインにおける果実味とエレガンスの完成度はまださらに続いている。滑らかで品のあるタンニンとポテンシャルはかなり高い。驚くべきワインだ。

クロ・ヴジョ
グラン・クリュ

香りはまだ堅い。同時に果実と樽の香りがある。甘草とカラメル、スモークされたアロマがある。開けてみるとボリューム感がたっぷり。でもまだ厳格さがある。時間が経てばさらに良くなるのが想像できる。ワインはどっしりとしていて強く、よく詰まった緻密な果実とアルコール分も豊か。このワインのキャラクターは異色だ。


結論

1996年の赤ワインはブルゴーニュにとってとても当たり年であるとみなされるものだ。ワインはストラクチャーがしっかりとしている上、エレガントでもある。現時点でよく飲むことも出来る。なぜなら果実は肉厚でストラクチャーがはっきりとしていることから、素晴らしいポテンシャルがあるからだ。

メオ・カミュゼのワインのラインナップはブルゴーニュワインファンの望むことをしっかりとつかんでいる。
- ピノ・ノワールの典型的な赤の色、素晴らしい輝きと緻密さがある。
- 熟した赤い実の果実のアロマ、強いが決して重くない。繊細さと気品が溢れている。
- 味わいは凝縮感があり、滑らかな果実の味わい、アフターは酸ですっきりと立ちのぼる。
- 貴族的なワイン、テロワールが大きな武器、官能性を堪能できる。