若いワイン、それとも古いワイン、どのように選ぶ?

この種の頭を抱えるような質問には身を切られる思いだ。 うちのメンバーの大半が沈黙を守っているが、それは若いワインを飲むのも、成熟に達したワインを飲むのも同じような楽しみを見出しているからだ。ある一本のワインに対して、待ったほうがよいのか、それともすぐに飲んだほうがよいのか? 答えは、皆さんも想像がつくでしょうが、簡単ではない。それは多くの要素によるものだ・・・。ワインの出来も予測が立たないように、どんなに小さなワインの成分でもそれがワインに良い影響を与えるか与えないかは最後まで誰にも分からないし、そんなことが実際にワインを飲む上では大きな問題になるとは自分達は思わない。

まず検証から:
この10年を例にとってみるなら、ワインは10年から20年は飲めないと考えるだろう。今日、この論理が様々な理由で行き過ぎている。

次に重要な詳細:
あるワインは年を重ねるとともに良くなっていく。それは確かなことだ。しかし他のワインは変化するに留まるだけのものもある。これに関しては面白味をなくしてしまう。

96年のヴィンテージを例に取ってみよう:
いくつかのワインは待たないといけない。なぜなら骨格がはっきりしており、年とともにしなやかになっていくからだ。他のものは(ほとんどだが)現在美味しく飲めるが、これが果たして10年、20年後さらによくなっているかどうかというと?おそらくそうではないだろう。
そのかわり、私はこのワインが調和を持って熟成していくことができ、何年か後、あるいは10年後には違った喜び、それでも若い時と同じ緻密さを持った趣を与えてくれると賭けてもいい。
ワインの愛好家にとって、この異なる官能性を断ってしまうのは本当に残念としか言いようがない。

20年前、30年前という古いワインを試飲する時の心の負担も考えないといけない。

ワインをとっておくか、それとも飲んでしまうかという選択はまずワイン本来の味わいを良く知り得ていることが大事で、ワインが熟成していくときに何をワインに求めているかということを知ることが大切だ。

確かに、あまりにもがっかりしたくなければ、ワインを吟味してよく選ぶことが大事だろう。ここから事は難しくなる。すでに出来上がっているマニュアルは無いからだ。ヴィンテージにもよるし、ワインにもよる。積み重ねないといけない膨大な知識を想像するが、それは愛好家をがっかりさせ、性格によってはイライラを募らせてしまうだけだ。

もちろん、近道はある。生産者に聞くこと。生産者はワインを親密に理解しているから・・・。